『ストーリーの作り方』

2025年01月10日

アイデア・ストーリーの練り方

学生の頃、脚本が好きで幾つかの本を読み漁ってきました。

この記事が悩んでいる人の助けになれば幸いです。

まず、アイデア作成の具体的な方法論です。

私の好きなJames Webb Young氏の著書からの引用です。

具体例を交えて解説します。


アイデアというのは 既存の要素の組み合わせ

 例 餅とアイス→ 雪見だいふく
 

情報と情報の関連性を探る事でアイデアが形成させていきます。


概要が掴めたところで具体的なステップです。

例を踏まえて物語作成の過程を説明していきます。

⚪︎第一段階 情報収集  
情報を要素に分けると、 特殊資料と一般資料に分けられます。


特殊資料は、 売りたい商品とターゲットの資料 
一般資料は、 人生の具体的な事象や出来事


上記の情報を集めていきます。

  例 ホラー漫画を描く場合  

   特殊資料

 ホラー漫画を見る世代の情報
 ボリューム層のデータ 
 ホラー漫画のヒットの共通要素
 ホラー漫画の種類や分類

   一般資料 

 人生で一番怖かった経験 友人の話
 海や自然の恐怖 怖い夢 幽霊を見た経験

⚪︎第二段階  集めた情報を別の視点で観察します。
どんな些細なことでも書き出します。
感情や事実や想像、感じた事全てです。

例  幽霊 (一般資料)
幽霊は成仏したいのか?成仏させる為の人は?
白目が少ないと怖い
白い服、長い髪 黒い目 
なんでこの姿を想像する?
白装束だから? 江戸時代の絵画の影響? 
タイムスリップしてきた?
幽霊がタイムスリップしたら面白い?
なんで髪長い? 
散髪してくれる人がいないから?  幽霊の髪を切る専用の散髪屋がいたら? 
なんのために?成仏?
髪を切られたらどうなる?
時間が戻る? タイムスリップ
逆に髪が伸びたら?反対で未来に?育毛剤で?
夜風の音を聞くと怖いな、
幽霊も元は人間だし同じ気持ち?
幽霊側の感情は?住所や縄張りはある?
幽霊も悩みがあるのかな 
他の幽霊がいるなら恋もあるのかな
体に触れられない同士の恋模様  
シザーハンズみたい

例 ホラー漫画 特殊資料


1960年代ー1980年代がブーム
何故流行った? 時代背景は戦後、高度経済成長期、3種の神器が登場した
オイルショック 安保闘争 
戦後で死が身近だった人が多いから? 
経済的に希望が見えたから?
欧米文化が急速に入ってきたから?
この時代の作品の共通点は? 怪異系?ボリューム層は? 若者より65歳から40歳のバブル世代、氷河期世代。ターゲットは? ボリューム層に向けて?バブル世代にも受けて若者にも受ける作品を作るには?舞台を昔にする?若者を取り込むには?転生系?

このように様々なテーマで書き出していきます

⚪︎第三段階 部分的なアイデアを書き留める
このアイデアは無意識に作成し心の外で形成します
解釈が難しいですが、要は脳の処理に任せるという事です。
音楽を聴いたり、映画を見たりよく寝たり、色々と経験を積み、身勝手に形成するのを待ちます。

⚪︎第四段階 作成したアイデアを見つける

第三段階までで、見つけたアイデアをまとめていきます。
例 幽霊がタイムスリップ
  成仏したい幽霊の話
  シザーハンズ的な物語
  幽霊専門の散髪屋
  育毛剤で幽霊の髪を伸ばす組織
  体に触れられない幽霊同士の恋模様
  舞台はバブル期の日本
  現代からタイムスリップ
  メインターゲットは若者からバブル期。

この様にアイデアの断片をひたすら書きます。

⚪︎第五段階 現実の有用性と合わせ具体的に展開する
  つまり、多くのアイデアを取捨選択して合致させていきます。
目的や手段を明確にしていくとスムーズに考えられます。

お勧めの考える手順は ターゲット→テーマ→設定→内容です。
  例 
  目標    幽霊漫画の制作
ターゲット 
若者からバブル、氷河期世代まで 20才〜65才
テーマ  
幽霊のタイムスリップ
物語の始まり  
2024年令和の東京。(若者層獲得のため) 
舞台     
バブル期の1970年代の東京(バブル層獲得のため)

前提的な価値観

幽霊は成仏したい。

その為には過去へ行き、生きていた頃の自分を驚かす必要がある

世界観の設定
  幽霊は髪を切ると過去へ行く
  幽霊は髪を伸ばすと未来へ行く 
髪を短くするには 
幽霊専門の散髪屋に切ってもらうこと。

髪を伸ばすには  

幽霊専用の育毛剤を使うこと。

散髪屋の目的は 成仏を手伝う事
その為に 幽霊の髪を切り過去へ送る必要がある


対立組織
育毛剤を使う幽霊組織
目的は 成仏の邪魔をして勢力を拡大する事
その為に 育毛剤の入った鉄砲で幽霊の髪を伸ばす必要がある
つまり彼らは ショートカットの幽霊を襲う

特徴 肉体も歯もボロボロで髪が長い

   成仏に失敗してしまった幽霊達

条件・詳細

育毛剤で伸びた髪は散髪屋でも切る事が出来ない
その為、過去には一度しか行けない
成仏のタイムリミットは、過去の自分が死ぬまでの期間
 自分以外を驚かしても効果はない

この様に、大まかな設定が決まったらストーリー制作へ移ります。

ギャグ漫画に近い設定ですが面白くなる気がします。

物語の内容
 始まり 
令和で暮らす主人公の女幽霊が
成仏の機会を得る為、幽霊専門の散髪屋を探す
散髪屋を見つけた主人公は髪が短くなり過去へタイムスリップする。
彼女が生まれた1960年代の東京へ


昔を懐かしく思いながら成仏する為、生まれた場所へ向かい自分を探す。
客観的に自分の人生を見る事で当時の気持ちとの対比的な感情が芽生える

過去を懐かしく思っている時に、育毛剤を持った組織に襲撃に遭う

その結果、少しだけ未来へ行ってしまい月日が経過する


何が起こったか分からない彼女は、必死に考える。
月日が経った事、そして自分の髪が伸びていることに気づく。

そこでこの二つが関係していると考える
同様に生身の自分が死ぬまで時間がないと焦りが生まれ
また、敵がいる事に落ち込んでしまう

そんな時、同じ成仏を夢見る髪の短い幽霊に出会う。
お互いの知識を共有し、同じ目的意識のある仲間への深い絆が芽生え、親友になる
自分の肉体を驚かす為に頑張ろうと共に試行錯誤をする。
その結果、幽霊が見えやすい時間帯や夜、隙間風が吹いた時などより具体的な条件が分かってくる。


だが、当然 組織も条件の優れた時に狙ってくる。

そして案の定驚かせる絶好のチャンスで組織と鉢合わせる。
相手の組織は育毛剤を水鉄砲に入れて攻撃してくる。
逃げるしか手がないと思っていたが、流れ弾が運良く敵同士に当たり、その敵幽霊が消える。
 
主人公は育毛剤が敵にも効くことに気づく。消えた幽霊の育毛銃を手にした主人公は、時をあらためてチャンスを待つ。

護身用に銃を持ち仲間と、驚かすチャンスを得るが、計画は失敗し庇った親友に大量の育毛剤がかかってしまう。


親友は未来に行き、成仏に失敗する
親友を失った主人公は絶望する。


諦めてしまいそうな時、この時代の散髪屋に出会う
絶望していた主人公に、散髪屋は幻のハサミの存在を伝える。
それは、育毛剤で伸びた髪も切れるハサミ

作り方は 成仏に失敗した幽霊の抜けた歯を集めること
抜け落ちたこの歯を集めて、ハサミを作れば幻のハサミが作れる
しかし歯がボロボロなため、切れる髪は一人だけ。諸刃の剣


一人で組織に立ち向かい、歯を集める
そしてついに幻のハサミが完成する。
主人公は、自らに育毛銃を撃ち、親友の為未来へ向かう
しかし全然見つからない。
また、敵組織は自分の成仏の可能性を見つけた為、幻のハサミを奪おうと邪魔をする
沢山育毛銃を撃ち、未来へ行く主人公
そして、ついに見つけた親友。


変わり果ててしまった親友の髪を切ろうとするが、敵組織の邪魔が入る。
自分も育毛銃を使い、次々と敵を未来に送る。
ついに、組織に勝ち、泣きながら親友の髪を切る

そして親友は過去に戻り、自分は彷徨い続ける。END


ストーリー制作の主な流れは以上です。
慣れてきたら2.3時間で簡単な物語は作れると思います。
正直、育毛や散髪などギャグ要素も強く、一見くだらなそうですが
ターゲット層にも合い、ユニークなアイデアでちょっと面白そうです。

タイトルをつけるなら、、、、「スカルプ・ゴースト」

通称「スカルプ・G」 ん?既視感が‥

書くのは控えますが読んでみたいものです。


「killer stone」も是非、ご贔屓下さい。

本気で考える姿に何よりの美しさを感じます。

幸あれ


※この記事はスカルプDのプロモーションを含みません。